INTERVIEW 04
数あるテレビCMの中でも、脈々と受け継がれオンエアされてきた王道的CMがある。日本を代表するクルマやビールのCMがそれにあたる。そんなメジャーCMを手掛ける太陽企画の制作チームの3名に、やりがいや面白さ、そして苦労についてインタビュー。何よりも大事なものはチーム力とコミュニケーションだった!?
プロデューサー 平田
Q趣味について詳しく教えてください。
時間があったら一日中ギターを弾いていたいですね。人に聞かせるのは恥ずかしいので、一人で黙々と弾くのが好きです。ギターは現在9本持っています。
Q自分の持ち味・特長は何ですか。
表面上『頭悪そう・いい加減・適当』と見せかけて、実はクレバーにプロの仕事をすることがかっこいいと思うタイプです。
Q.この仕事を通してできるようになったこと、成長したことはありますか?
引っ込み思案の性格でしたが、この仕事をやっているとどうしてもPrから話さなくてはいけないことがあったりとか、初めて会うスタッフも多いので、今は真逆の性格に。確実に学生時代と比べると成長しました。
PM*チーフ 今
Q趣味について詳しく教えてください。
基本は「食べるのがめんどくさい」という理由で食事を抜くことが多いんですが、食べるときはめちゃくちゃ食べます。
おいしいものをお腹いっぱい食べるときの満足感が好きです。
健康に悪いのは分かってるんですけど...。
Q自分の持ち味・特長は何ですか。
几帳面な性格なのでチームではデータ管理を率先してやっています。そういうのが好きなんですね(笑)。
とっさの時にデータを引っ張り出せるように把握しています。チームに1人いると便利だと思います。
Q.この仕事を通してできるようになったこと、成長したことはありますか?
コミュニケーションですね。学生時代は年上の人と話す機会がなかったんですけど、社会人になって、自分の意見を踏まえた上で話せるようになりました。言葉選びとか話のテンポとか、そう言う能力は格段に上達したかな。
あとは年上のスタッフのギャラなどを決めなくちゃいけないので、度胸がつきました。
PMセカンド 生田
Q趣味について詳しく教えてください。
父親の影響でゴルフや釣りをやっていたのが、撮影の時に結構役立っています。太陽企画のゴルフコンペだと、普段話す機会のない上の人とも話すことができるのはいいですね。
Q自分の持ち味・特長は何ですか。
ズバッと発言するところ。あとは学生時代に校内放送でアナウンサーをしていたこともあって、現場で『良い声だね』って言われることもあります。
Q.この仕事を通してできるようになったこと、成長したことはありますか?
キツイことがあっても、踏ん張れる忍耐力がつきました。
仕事以外でもハキハキ話せるようになったり、ちゃんとした挨拶ができるようになりました。
* PM=プロダクションマネージャー
私は入社3年目です。PM2ndとして忙しい毎日を送っています。
制作部内での組織序列で、入社後それぞれの部に配属されたらプロダクションマネージャーとして、みんなPM3rd(サード)からキャリアをスタートします。経験を積むと次はPM2nd(セカンド)、そしてPMチーフへとポジションが昇進していきます。その上に制作部を束ねるプロデューサーがいます。PM3rdの仕事は主に出演者の控室の準備やお弁当の手配など、スタッフが働きやすい環境を整えて、気持ちよく撮影を行えるようバックアップします。PM2ndになってくると、実際の映像制作に関わる業務になります。カメラ前の責任者としてカメラマンとコミュニケーションを取り、出演者へ演技説明をしたり、カチンコを打って撮影テイクを管理します。
僕は5年目でPMチーフをしています。PMチーフは映像制作の全体のスケジュール管理に予算管理、制作スタッフへの連絡に加え、監督とのやり取りが主な仕事です。監督が作りたいものを実現するために予算とすり合わせながら、納品まで制作業務全体を仕切っていきます。制作業務の要となるポジションなので、PM2nd、PM3rdのスタッフとも作業の進捗を逐一確認しながら、納品まで滞りなくすすめることが仕事です。
僕が入社した30年前とずいぶん映像制作を取り巻く環境も変わり、おのずとプロデューサーの役割も変わってきています。ですが変わらないことで言うと、仕事を受注し、映像制作全般における総責任者となって、完成まで作品やスタッフ全体の面倒を見ること。そして仕事を通して、プロデューサーを目指す次世代の成長をサポートしていくことも大事な仕事のひとつですね。
びっくりしたのは、それまで経験していた撮影とは規模がまるで違ったこと。撮影現場でのスタッフの数も倍。映像制作にかける予算も大きくて、しっかりとお金をかけて日本を代表する商品のCMを作っていくぞという気迫がある。PM2ndのときから携わっているのですが、当時は経験不足で思うように動けなくて、正直「明日が来るのが怖い」って思うこともありました。それが今は面白さややりがいを感じるようになって、成長したなって感じます。
入社をすると"制作部ローテーション"って呼ばれる制度があって、一定期間社内のいろんなチームを経験してまわるのですが、ローテーション中にこのビールの案件についたのがきっかけで、本配属で平田チームにいきたいって実は思っていて。団結力があって、みんなが一丸となって動いている感じが好きでした。実際に携わるようになっての感想は、毎回気が抜けないし、緊張感があります。PM3rdの頃からこのチームにつかせていただいているので、場数を踏みながら成長して、撮影スタッフに「いろいろ助かったよ、よくやったな!」と言ってもらえたときは嬉しかったです。
テレビで流れるクルマやビールのCMを思い出してみてください。その業界でも一握りのブランドしかCMを打っていませんね。そうすると、それらのCMを担当できるチャンスって狭き門。予算規模も巨大、やっぱり花形だと思います。それだけではなく、僕たちが担当するこの商品が売れないと、その会社の業績に関わるほどのインパクトを持つ。そうしたメジャーなCMは、クライアントと広告代理店と制作会社が一丸となって年月をかけて育てていくのも特徴ですね。そうした時間経過とか信頼関係があるから、クライアントやブランドに対して、愛着も生まれます。この案件を手掛けるようになってから、僕はビールを飲むときはこの商品しか飲まなくなりました(笑)。社長も夜の晩酌はこのビールだと聞いています。メジャーなCMって、作り手にとってそういう精神的なものさえも内包しているんですね。
CMという広告である以上、多く人に見てもらえるものを作りたい気持ちがあって。昨今はデジタルのプラットフォームが強くなってきていますが、本質的に、テレビって不特定多数の目に届く媒体です。そして出演者も有名なタレントさんで豪華ですよね。そんな映像を手掛けることができるっていうのは、やっぱりやりがいを感じます。
僕のプロデューサーとしての骨格を作っていただいた恩人であるクリエーティブディレクターに「俺たちは映像を介して、世の中と対話しているんだ」と教えられました。以降、僕と社会(世の中)との接点は、自分の関わったCMであると思っています。日本全国1億3千万人が見る可能性のあるものってなかなか無いと思いませんか?自分たちはそういうものを作っているんだってことに意識的でありたいし、視聴者はどう受け取るのかという視点をいつも持ち続けることにつながっています。