#08

小笹 輪太郎

RINTARO KOZASA
EDITOR +Ring

1988年 岡山県出身
2013年 工学院大学大学院建築学科修士課程卒業
2013年 太陽企画入社

エディターとして活躍されている小笹さんですが、「ハートが熱い男だ」というウワサも聞こえています。
30歳を超えてくると、人って丸くなる傾向ってありません?僕は抗える人でいたいんです。常識や多数決から生まれる結果って"安心"しかない。エディターという立場的にその安心に騙されないように、と思っています。そもそも安定を目指してないのです。映画「インタステラー」(2014年 クリストファー・ノーラン監督)に出てくる、ディラン・トマスの詩の引用場面が好きで、最近よく考えますね。
" Do not go gentle into that good night"
"Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light."
あの穏やかな夜におとなしく身を任せてはいけない。
老いたならばこそ燃え上がり、暮れゆく日に荒れ狂うべきだ。
消えゆく光に向かって、怒れ、怒れ。
広告の世界に就職したのはなぜでしょう?
建築を修士まで学びましたが、結局それでやってくイメージが湧かなかったのかも。建物って"不動産"っていうぐらいですから、動かないし、竣工するまでにも相当な時間がかかるし、待ちきれなかったのでしょうね。もっと単純に欲求を満たせる場所…多くの人の目につく、わかりやすい、動くもので、常に新しいモノづくりができる環境を考えた時、広告っていう選択肢が浮かびました。CMはスパンも早いから、息つく暇も無く、退屈しない場所じゃないかと。
"安心"に騙されない。
息つく暇も無く
退屈しない場所を求めて
建築のバックグラウンドが、エディターの仕事に役立っていることはありますか?
ぶっちゃけ、具体的に今の仕事の役に立ったことは無いです。ただ、建築は世間的には硬いイメージですが、実は全方位に向いた学問なので、真面目にやっていてよかったとすごく思います。基礎力がついたというか、理解力があがったと思うし、音色と画の関係などを、比喩を交えて説明しやすくなったところはあるかもです。
エディターとして活動するにあたり大事にしていることって何でしょう?
自分の中の大人と子供を使い分けること。エディターの仕事は、企画や演出がすでに決まっているのが前提として多いので、自分の哲学や表現をおざなりにしないよう意識しています。時には自分を曲げないことも必要ですし、自分が(その仕事に)呼ばれた意味をいつも考えるようにしています。それでも思い通りに作れないストレスもあるので、いつかは、音も映像も編集も自分100%で一本完成させてみたいです。絶対いいモノにはなんないでしょうけど(笑)。

favorite

好きなもの、
影響を受けたもの

・ Aphex Twinの「syro」

・ Aphex Twinの「syro」

元々バンド畑だったので、テクノというジャンルには興味はなかったのですが、このアルバムを聞いた時はビビりました。かなり尖った音感覚で構築されていて、デジタルなのに肉感的で、完成されている感じ。なぜ音楽としていい感じに聞けるのかいまだにわからないし、どうやって作っているのだろって考えちゃいます。また、クリス・カニンガムが作るMVが不気味で、主観的で、わけわかんないんですけど、かっこいい。広告の仕事とは真逆のところで作られている映像に憧れを感じました。僕の目指すところに彼がいつも存在している気がします。

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